2026.02.04
ネットワーク工事 / ネットワーク工事そのWi-Fi、オフィスで使って大丈夫?家庭用ルーターと法人用アクセスポイントの決定的な違いを解説
「オフィスのネットが遅い」「Web会議中に映像が固まる」「社員が増えたら繋がりにくくなった」…そんな悩みはありませんか?
小規模なオフィスや店舗の開業時、とりあえず家電量販店で買った「家庭用Wi-Fiルーター」を設置しているケースは非常に多いです。しかし、ビジネスの規模が大きくなるにつれて、家庭用機器では限界が訪れます。
今回は、意外と知られていない「家庭用Wi-Fi」と「法人用アクセスポイント(AP)」の決定的な違いと、利用シーン別のおすすめ機種までを徹底解説します。
家庭用と法人用、何がそんなに違うの?
見た目は似ていても、中身の「エンジン」が全く違います。主な違いは以下の4点です。
1. 接続できる端末の数(同時接続数)が違う
最もわかりやすい違いは「馬力」です。
- 家庭用: 家族数人が動画を見たりスマホを使ったりすることを想定。推奨接続台数は10〜20台程度が限界のことが多いです。
- 法人用: 全従業員のPC・スマホ・タブレットに加え、プリンターやIoT機器も接続されます。1台で50台〜100台以上の安定接続を処理できる設計になっています。
ポイント:
ネットが遅い原因の多くは、回線速度ではなくルーターの処理能力オーバー(パンク状態)です。
2. セキュリティの堅牢さが違う(VLAN機能)
ビジネスで最も恐ろしいのは情報漏洩です。法人用にはVLAN(バーチャルLAN)という強力な機能があります。
- 家庭用: 基本的に「家族みんなが同じネットワーク」。
- 法人用: ネットワークを仮想的に分割できます。
- 社員用Wi-Fi: 社内サーバーや複合機にアクセス可能。
- 来客用Wi-Fi: インターネットのみアクセス可能(社内データには入れない)。
これにより、来客にWi-Fiを提供しつつ、社内の機密データを守ることができます。
3. 「移動しても切れない」ローミング性能
広いオフィスでは複数のWi-Fi機器を設置します。
- 家庭用: 電波が弱くなっても、元のルーターに執念深く繋がり続けようとし、移動中に通信が切れることがあります(スティッキー現象)。
- 法人用: 複数の機器が連携し、「こちらのAPの方が電波が強いですよ」と端末をスムーズに誘導します(高速ローミング)。Web会議をしながら部屋を移動しても映像が途切れません。
4. 設置の自由度(PoE対応)
法人用APの多くはPoE(Power over Ethernet)に対応しています。これはLANケーブル1本で「通信」と「電力」の両方を送る技術です。
天井や壁の高い位置など、コンセントがない場所にも設置できるため、障害物を避けて効率よく電波を飛ばせます。
比較まとめ:あなたに必要なのはどっち?
以下の表で特徴を比較しました。
| 特徴 | 家庭用Wi-Fiルーター | 法人用アクセスポイント |
|---|---|---|
| 主な用途 | 動画視聴、ゲーム、Web閲覧 | 業務システム、多数同時接続 |
| 同時接続数 | 少なめ(10〜20台目安) | 多い(50〜100台以上) |
| セキュリティ | パスワード管理が主 | VLAN、不正AP検知、RADIUS認証 |
| 安定性 | 負荷がかかると落ちやすい | 高負荷でも安定稼働 |
| 設置場所 | コンセント付近(据え置き) | 天井・壁掛け(PoE給電) |
| 価格 | 安価(数千円〜) | 高価(数万円〜)+別途設定が必要 |
国内で選ぶならこれ!主要メーカーとブランドマップ
「違いはわかったけれど、結局どのメーカーを選べばいいの?」という疑問にお答えするために、日本国内でシェアが高く、サポート体制が整っている主要メーカーをご紹介します。
【家庭用】家電量販店で買える「定番」ブランド
家庭用は「設定の簡単さ」や「スマホとの相性」が重視されます。
- Buffalo(バッファロー) / AirStation
国内シェアNo.1。「AOSS」などの簡単接続機能が充実し、情報も多いので安心です。 - NEC(エヌイーシー) / Aterm
通信の安定性に定評あり。「日本メーカー製」という安心感と電波の質の良さでファンが多いです。 - TP-Link(ティーピーリンク) / Archer・Deco
世界シェアNo.1。圧倒的な「コストパフォーマンス」が魅力で、メッシュWi-Fiなどが安価に構築できます。 - ELECOM(エレコム)
セキュリティ機能搭載モデルや、買い替え時の引っ越し機能など、ユーザビリティに優れています。
【法人・店舗用】ビジネスの安定を守る「プロ向け」ブランド
法人用は「止まらないこと」と「管理のしやすさ」が命です。
- YAMAHA(ヤマハ) / WLXシリーズ
日本の中小企業のド定番。同社ルーター(RTXシリーズ)と組み合わせた「ネットワークの見える化」機能は強力です。 - Cisco(シスコ) / Meraki Go・Catalyst
世界的ネットワークの巨人。小規模向けの「Meraki Go」はスマホアプリだけでプロ級の設定ができ、人気急上昇中です。 - HPE Aruba Networking(アルバ) / Instant On
セキュリティと品質に厳格な企業で採用されます。「Instant On」は安価でデザインも良く、店舗導入に最適です。
【実践編】あなたにピッタリの機種はこれ!ケース別マッチング
「どれを買えばいいかわからない」という方のために、今(2024〜2025年時点)選ぶべき具体的な型番を厳選しました。
※価格や在庫は変動するため、購入時は最新情報をご確認ください。
🏠 1. 家庭向け(Home)
家庭用は、最新規格「Wi-Fi 6(または6E)」対応モデルを選ぶのが正解です。
戸建住宅(3階建て・広い家)
- 課題: 電波が隅々まで届かない、死角ができる。
- おすすめ機種:
- TP-Link:Deco X50
(特徴)「メッシュWi-Fi」ならこれ。2〜3個セットを置くだけで家中どこでも繋がります。 - Buffalo:AirStation WNR-5400XE6
(特徴)最新の「Wi-Fi 6E」対応。トライバンドで家族全員が同時に動画を見ても速度が落ちにくいハイパワーモデル。
- TP-Link:Deco X50
集合住宅(マンション・アパート)
- 課題: 近所のWi-Fiと混信して遅くなる、夕方にネットが重い。
- おすすめ機種:
- NEC:Aterm WX5400HP
(特徴)「混雑に強い」と評判のベストセラー。アンテナ内蔵ですっきりしつつ、電波の飛びと安定性は抜群。 - ELECOM:WRC-X3000GS2
(特徴)コスパ最強クラス。一人暮らしや2LDK程度なら十分な性能を持ち、セキュリティ機能も内蔵で安心。
- NEC:Aterm WX5400HP
🏢 2. 法人・施設・店舗向け(Business)
ビジネスでの利用は、オフィス・店舗・施設によって選定基準が異なります。
📁 オフィス(Office)
「管理の手間」と「信頼性」で選びます。
- 小規模オフィス(従業員〜20名・IT担当なし)
- 課題: 難しい設定は避けたいが、家庭用のようなトラブルは困る。
- ★簡単管理(アプリ・クラウド派)におすすめ:
- HPE Aruba:Instant On AP22
(特徴)デザイン事務所などにお勧めのスタイリッシュなモデル。電源アダプタ付きセットならPoEハブも不要です。アプリの使い勝手も直感的。
- HPE Aruba:Instant On AP22
- ★安定・堅実(国内メーカー派)におすすめ:
- YAMAHA:WLX222
(特徴)小規模でも「安定性」最優先ならこれ。VPNルーター(RTXシリーズ)を使っているなら、管理画面を統合できるため運用が劇的に楽になります。 - Buffalo(法人):WAPM-AX4R
(特徴)Wi-Fi 6対応の法人スタンダードモデル。手厚い日本語サポートと高いコスパで、日本の小規模オフィスに最も馴染む一台です。
- YAMAHA:WLX222
- 中・大規模オフィス(従業員50名以上・IT担当あり/なし)
- 課題: セキュリティ強化、多数同時接続、トラブル時の原因究明。
- おすすめ機種:
- Cisco:Meraki Go GR12 / GR62
(特徴)世界品質のCiscoブランド。アプリ管理の手軽さがありながら処理能力が非常に高く、中規模オフィスや多拠点展開でも安定して稼働します。 - YAMAHA:WLX413
(特徴)ハイエンドモデル。3つの周波数帯を使う「トライバンド」対応で、端末数が100台を超えても速度低下を防ぎます。 - Buffalo(法人):WAPM-AX8R
(特徴)「レーダー波検知」による通信断を防ぐ機能を搭載。絶対に通信を止めたくないオフィスや物流倉庫で威力を発揮します。
- Cisco:Meraki Go GR12 / GR62
🛍️ 店舗(Shop)
「お客様へのWi-Fi提供」と「お店の美観」を重視します。
- 飲食店(カフェ・レストラン・バー)
- おすすめ機種:
- Buffalo:FS-600DHP(FREESPOT導入キット)
(特徴)公衆Wi-Fi「FREESPOT」キット。認証手続きを代行してくれるため、店側の管理負担がほぼゼロです。 - Cisco:Meraki Go GR12
(特徴)ゲストWi-Fiへの接続画面にお店のロゴやお知らせを表示でき、Facebookチェックイン機能なども使えます。
- Buffalo:FS-600DHP(FREESPOT導入キット)
- おすすめ機種:
- 小売店(アパレル・雑貨・ショールーム)
- おすすめ機種:
- HPE Aruba:Instant On AP22
(特徴)薄型でシンプルなデザインで、おしゃれな店内の壁や天井にあっても違和感がありません。レジ用と客用の回線分離もアプリで一瞬です。 - YAMAHA:WLX222
(特徴)白を基調としたマットな質感で目立ちません。50℃までの動作保証があり、過酷な環境でも壊れにくいタフさがあります。
- HPE Aruba:Instant On AP22
- おすすめ機種:
🏥 老人ホーム・介護施設(Care Facility)
【重要】選定の前に必ずご確認ください
介護施設では、Wi-Fi対応のナースコール、見守りカメラ、ベッドセンサーなどのIoT機器を使用するケースが増えています。これらは「メーカー指定の通信仕様」でないと動作しない場合や、家庭用機器では電波干渉で接続が切れる恐れがあります。
※ナースコールやセンサー導入業者に、必ず推奨スペック(ローミング機能や周波数帯)を確認してください。
- 課題: 職員が移動してもタブレットが切れないこと。入居者用Wi-Fiと業務用(ナースコール等)を完全に分離すること。
- おすすめ機種:
- YAMAHA:WLX222 / WLX413
(特徴)日本の医療・介護現場での導入実績が豊富です。「高速ローミング」機能が優秀で、職員が各部屋を回ってもタブレットのカルテ入力が途切れません。見守りセンサー等のIoT機器との接続安定性にも定評があります。 - HPE Aruba:Instant On AP22
(特徴)「入居者様用のYouTube用Wi-Fi」と「業務システム用Wi-Fi」をアプリ上で簡単に、かつ強力に分離できます。セキュリティが高く、個人情報を扱う現場でも安心です。
- YAMAHA:WLX222 / WLX413
結論:コストか、安心か
「高いから良い、安いから悪い」ではなく、「使う場所と目的に合っているか」がWi-Fi選びのすべてです。
- 家で動画やゲームを楽しむなら、コスパの良い家庭用。
- ビジネスを止めたくない、お客様に快適に使ってほしいなら、迷わず法人用。
従業員が5名以下で扱うデータも軽いなら家庭用でも十分かもしれませんが、10名を超えたり、顧客情報を扱ったりする場合は、法人用への入れ替えが、結果的に「最も安上がりな投資」になるはずです。
今の環境に少しでも不安があるなら、ぜひ今回の記事を参考に、環境に合った機器への見直しを検討してみてください。快適な通信環境は、最強のビジネスツールになりますよ!
弊社では上記各メーカー取り扱いございます。先ずは導入前に参考にしていただければ幸いです。
