2026.02.05

電波調査 / 電波調査

【完全保存版】スマホの電波が悪い?原因と対策・5Gオフの真実から数値測定まで徹底解説

「アンテナは立っているのにネットが遅い」「5G表記なのにパケ止まりする」「特定の部屋だけ繋がらない」……。
スマートフォンの電波トラブルは、生活の質を大きく下げるストレスの原因です。

本記事では、基本的な対策から、エンジニア視点での「5Gを切るべき技術的理由」、そして「プロ並みに電波状況を診断する方法」までを網羅して解説します。


1. なぜ電波が悪くなるのか? 周波数(BAND)の仕組み

対策をする前に、なぜ電波がつながりにくくなるのか、その「特性」を理解しましょう。

「プラチナバンド」と「高い周波数」

電波は周波数によって飛び方が異なります。

  • プラチナバンド(700MHz〜900MHz帯):
    障害物を回り込み、突き抜ける力が強い。「繋がりやすさ」の要です。
  • 高い周波数帯(1.7GHz〜/3.5GHz〜など):
    高速通信が可能ですが、直進性が強く、建物の中や陰に入ると急激に弱くなります。

つまり、「プラチナバンドを掴めているか」が快適さの鍵を握っています。

2. 4大キャリアの周波数帯(BAND)一覧表

自分のスマホが契約キャリアの「プラチナバンド」に対応していないと、どれだけ対策しても電波は良くなりません。特に海外製スマホや古い機種を使う場合は、以下の表を確認してください。

キャリア 必須・重要BAND
(4G LTE)
プラチナバンド 特徴・備考
ドコモ 1, 3, 19, 21, 28, 42 Band 19 Band 19非対応だと山間部や屋内で圏外になりやすい。
au (KDDI) 1, 3, 18/26, 11, 28, 41 Band 18 Band 18が最強のプラチナバンド。必須です。
ソフトバンク 1, 3, 8, 11, 28, 41, 42 Band 8 Band 8がプラチナバンド。世界標準に近く海外端末に強い。
楽天モバイル 3, 18/26(au), 28 Band 28 自社はBand 3。エリア外はauのBand 18でカバー。

3. まず試すべき「基本の対策」

  1. 機内モードのON/OFF
    スマホは一度掴んだ基地局を離そうとしません。機内モードを切り替えることで、一番近くの強い電波を掴み直す(ハンドオーバーさせる)ことができます。
  2. 窓際や高い場所に移動
    鉄筋コンクリートは電波の敵です。窓際の方が確実に電波強度は上がります。
  3. スマホケースを外してみる
    金属製のケースや、ICカードが何枚も入った分厚いケースは電波干渉の原因になります。

4. なぜ「5Gオフ」で通信が安定するのか?(中級編)

「5Gは速い」はずなのに、なぜ切ったほうが安定するのでしょうか? これには明確な技術的理由があります。

① 「アンカーバンド」とパケ止まり

現在主流の5G(NSA方式)は、4Gの電波を制御信号(アンカー)として使いながら、データ通信のみ5Gを上乗せしています。
5Gエリアの端(セルエッジ)に行くと、スマホは微弱な5Gを掴もうと必死になりますが、制御用の4Gとの連携がうまくいかず、通信が完全に停止する「パケ止まり」が発生します。

② 上り回線の「詰まり」

多くの5Gエリアでは、下り(受信)は5Gでも、上り(送信)は4Gを使う仕様が多いです。5Gを探す処理にパワーを使われ、送信リクエストがサーバーに届かず「読み込み中」が終わらない現象が起きます。

【対策】
設定から「4G(LTE)のみ」に固定することで、安定したプラチナバンド等を優先的に使い、通信品質が劇的に改善することがあります。

5. 電波の「質」を数値で理解する(上級編)

アンテナの本数(ピクト表示)はあくまで目安です。正確な状況を知るための専門用語を解説します。

  • RSRP (受信レベル):
    電波の強さ。-80dBmなら最強、-110dBm以下だとかなり弱いです。
  • RSRQ (受信品質):
    電波の「きれいさ」。ノイズが混じっていないかを示します。
  • TX Power (送信出力):
    スマホが基地局へ送るパワー。これがMAXに近いと、バッテリーが激しく減り、本体が発熱します(=電波環境が悪い証拠)。
  • PCI (基地局ID):
    どこの基地局(セクター)を掴んでいるかのIDです。

6. 実践!iPhoneでの「フィールドテスト」

iPhoneにはエンジニア用の隠しモードがあります。

  1. Wi-Fiをオフにする。
  2. 電話アプリで *3001#12345#* と入力し発信。
  3. メニューから 「RAT」→「Serving Cell Info」 などを選択。
  4. 「rsrp」(強度)や「band_info」(掴んでいるバンド)を確認できます。

7. 実践!Androidでの「電波可視化」とアプリ解説

Androidの場合、無料アプリを使うのが最も簡単で確実です。

推奨アプリ:Network Cell Info Lite & Wifi

以下の図解を参考に、自宅の電波状況をチェックしてみてください。

Network Cell Info Liteの画面解説図
  • ① メーター(RSRP): 針が右(緑色)にあるほど電波が強く、左(赤色)なら危険信号です。
  • ② Band(バンド): ここに「Band 19(ドコモ)」「Band 18(au)」「Band 8(ソフトバンク)」が表示されていれば、プラチナバンドを掴めています。
  • ③ グラフ: 家の中を歩き回り、グラフが凹んだ場所が「デッドスポット」です。

8. 仕上げ:正しいスピードテスト(スループット測定)

最後に、実際の通信速度(スループット)を測ります。

【重要】Wi-Fiは必ずOFFにする!

Wi-Fiがつながったままだと、家の光回線の速度を測ってしまいます。必ずWi-Fiアイコンを切り、画面上が「4G/5G」になっていることを確認してください。

おすすめアプリ:RBB SPEED TEST

測定結果のログが残り、比較がしやすい定番アプリです。以下からダウンロードできます。

  • 下り(Download): 10Mbps以上あれば動画もSNSも快適です。
  • 上り(Upload): 5Mbps以上あればZoomなども途切れません。
  • Ping(応答速度): 50ms以下が理想。数値が小さいほどサクサク動きます。

9. どうしても改善しない場合の公式窓口(リンク集)

「対策をしても電波が弱い」「特定の部屋だけ圏外になる」という場合は、個人で悩まずキャリアに相談しましょう。
各社とも「電波改善要望」を受け付ける専用フォームを用意しています。

相談する際は、本記事で解説した「RSRP(電波の強さ)」「掴んでいるBand」の数値を伝えると、調査がスムーズに進みます。

10. まとめ

スマホの電波対策は、やみくもに機種変更するのではなく、まずは「現状を知る」ことが解決への近道です。

  1. まずは設定変更: 「機内モードON/OFF」と「5Gの無効化(4G固定)」を試す。
  2. 数値を確認: アプリやフィールドテストで「RSRP(強さ)」と「Band(周波数)」を見る。
  3. 証拠を持って相談: 数値を元に、窓際への移動やキャリアへの改善要望を行う。

特に「自宅なのにプラチナバンド(Band 19/18/8)が来ていない」ということが分かれば、対策は明確になります。ぜひ本記事を参考に、快適な通信環境を取り戻してください。

プロフェッショナルへのご相談もお任せください

弊社では数年に渡り、専門的な電波対策業務を行っております。
「自社ビルやオフィスの電波状況を改善したい」「竣工前に専門的な調査をお願いしたい」といったご要望につきましても、柔軟に対応が可能です。

また、確かな技術と実績に基づいたサポートをご提供いたします。電波に関するお悩みごとは、ぜひお気軽にご相談ください。

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